大和市民活動センター


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★第46回連続共育セミナー

「市民活動を通して なんでもプラス」
  〜手と手をつなぐ地域ネット〜

 

2011年10月17日(月)16:00〜18:00に行われた連続共育セミナーの内容(概要)をお伝えします。

 

お話:今井功さん (特定非営利活動法人なんでもプラス地域ネット理事長)


地域ふれあいネットワーク「なんプラ」理事長。奈良県出身、メンタルヘルス20年。社会人向けの予防教育「ストレスマネジメント」を創始し28年。昭和49年に横浜から移住して、現在大和市下鶴間在住。

 

内容

<ふれあうとは?><掛けあいとは?><なんでもプラスとは?>
どんな点が上手くいっているのか?どうしたら上手くいくのか?皆さんと共通な悩みを抱えているのではと活動をしながら感じています。どうしてこのような会を立ち上げたのか…?と自問自答をしながら、参加者のみなさんと一緒に考えました。

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(「なんプラ」を作ったきっかけ)

 

特定非営利活動法人なんでもプラス地域ネット――通称「なんプラ」は大和市下鶴間の公所(ぐぞ)地区で活動する団体です。なんプラの活動を始める前に、自治会の会長を2年、2期務めました。自治会活動をする前は自分が住んでいる地区「公所」を「ぐぞ」と読むことも知らないほど地域から離れた生活をしていました。

 

自治会活動をしてきてわかったことは、まず自治会は忙しいということ。そして役所からの情報等は役員から地区委員への縦に下りてくること、縦の線という流れがあるということでした。役所は横の繋がりができないところ、これは良い、悪いではなく、縦じゃないとできないということだとわかりました。

 

そこで、住んでいる人たちの横のつながりをつくり、縦糸(行政)と横糸(住民)で地域を作って行こうじゃないかと思いました。自治会の役員はやむを得ず地域のためにと来ていて、1年間地区委員なり役員なりをやってそれで終わればいいという人が多いです。しかし、見ているといろいろな知識や技術を持っている人がたくさんいることがわかります。もうちょっと自分の意思で行動できるような組織ができないか?せっかくやるなら喜んでやれるようなことをやろうじゃないかと思ったのが「なんプラ」の出発点となりました。

 

 

 

(大和市下鶴間 公所地区について)


公所(ぐぞ)は30〜40年前は約100世帯、300人程が暮らす地区でした。現在は1800〜1900世帯に増え、地元の人と新住民はなかなか混ざり合うことがありませんでしたが、最近はだんだん分かり合ってきました。生活をしていると、個人でも地域でも問題が起こります。それを「難しい」と言っているだけではなく、住みよい町になるように、なんでもプラスの方へ向けていこうというのが「なんプラ」です。

 

2007年に会を設立し、2009年5月10日、ガレージに作った事務所を開きました。

 

 

 

(なんプラの事業)

 

1.人材ネットワークサービス

 

●なんプラ第1農園、第2農園
    農家の大谷さんの庭にある農園で、ご好意で貸していただきました。20人が1050uで野菜などを育てています。
    芋煮会も行いました。
●ぎんなん第1農園、第2農園
    高齢のために管理できなくなったところの手伝いを頼まれ、なんプラで管理をさせていただいています。
    ぎんなんを販売し、 収益をなんプラの運営費にしています。
●雨水タンク設営支援事業
    環境にいいことをしたいけれど一歩を踏み出せない人への支援をしています。250リットルのタンクを2台連結して
    500リットルの雨水が溜められます。3年間使用すると設置費用が賄えます。   
●スクールエコ・リユース事業
    小中学校で廃棄する机、イスを修理して新品に近い形にしています。この仕事をして例えば5,000円の収入が
    あったら、そのうちの2割をなんプラの活動費として納めてもらいます。
●ハウスメンテマスター
    「LLP職人倶楽部よこはま」というところで、なんプラ会員の8名がハウスメンテマスターの資格を取りました。
    日曜大工、転倒防止や障子の貼り替えなどを頼まれてやっています。

 

 

2.たまり場づくり

 

●シネマサロン
●なんでもサロン
●ホームサロン
●ふれあいコーヒーショップ(「シニアネットワークさがみ」と一緒にやっています)
    境川沿いに「カフェ・ド・オータム」をオープンし、コーヒーや手づくりケーキを販売しました。
    2011年春は201人来店し好評でした。
●酒まんじゅう作り
    公所地区に伝わる酒まんじゅうの作り方を伝え、残していく活動です。
    大和市の協働事業として行い、映像にも記録しています。 
●タオル帽子づくり
    がん患者さんのための帽子です。ホットフラッシュのある方、お風呂上がりなどにも使えます。
    出向いて作り方を教えます。
●密蝋燭作り

 

 

3.室内環境測定

 

 

 

(その他)

 

Q:なんプラの年間収入はどれくらいですか?
A:80〜90万円です。入会金が1人500円、年会費は500円で、現在会員が60人程なので、会費からの収入は年間3万円程度です。

 

Q:シネマサロンについて教えてください
A:サロンはお茶代として参加費300円をいただいていますが時には赤字になります。
  映画を観た後交流会をしても、地元の人はシャイな人が多く、あまり盛上がりませんでした。
   最近は映画の後に話したい人は話し、後で道で会った時に挨拶でもできるような、顔見知り程度にでも
   なれればいいなと思っています。  

 

Q:料金は1時間単位ということですが、15分単位などの設定があればもっと良いと思いますが。
A:事情によっては30分を2回で1時間としてカウントするなど、利用しやすいようにしていますが、仕事を請け負う人の
   交通費などのこともありますから、15分というのは難しいです。

 

Q:これだけの人数を集められたのはすごいと思います。どうやって集めたのですか?
A:川を散歩していて顔見知りができて、「こんなのどう?」と言ってみたりして広がりました。
  60人会員がいて実働は20人です。会員の動き方には偏りがあります。

 

Q:公所は歴史ある地区だと聞きました。
A:地区にお年寄りは1000人くらいいますが、老人会に入っているのは120人です。特に男性は入りません。
   同じ人ばかり出てきて、新しい人は出てきません。地元の人の繋がりは強く、「講」が今も残っています。
Q:男性は2〜3回声を掛けても出てこないと、声を掛けるこちらがついひるんでしまいます。
  でもそれではいけませんから、 「見守り」ということをつくってほしいと思います。

 

 

(最後に)

なんプラの主旨は「助け合い、ふれあい」です。NPOで有償でやっていると「金もうけだ」と言われたりしますが、農園での芋煮会などは防災訓練にもなっていますし、自治会の縦のつながりでは出来ない点を横のつながりでできればと思います。しかし、NPOになって3年、最近はあせりを感じてきました。これまでの経験から、大事なのはシステムだと思いました。いいシステムができれば人が集まるのだと思いますが、そこまでは行っていないのが現状です。将来的には公所だけではなく、その他の地域でも活動を広げたいと思っています。今日はみなさんにお話がとても参考になりました。

 

 

 

 

 

 

 

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