大和市民活動センター


  1. HOME
  2. 最新情報
  3. 共育セミナー
  4. 第35回連続共育セミナー

★第35回連続共育セミナー

「プレゼントの文化って?〜感謝祭からクリスマスへ〜 」

2010年11月15日(月)18:00〜20:00に行われた連続共育セミナーの内容(概要)をお伝えします。

 

お話:丸山澄枝さん

(プロフィール)
在日米軍厚木航空施設渉外部渉外専門官
在日米軍と地元との地域交流に携わっています。在日米海軍の広報活動から基地開放や各種団体とのイベント、苦情処理まで、地域の皆さんと関わる一般事案についての窓口となっています。

 

内容

感謝祭が終わるとスーパーの出口に大きな箱が用意され、プレゼントが集まります。クリスマスプレゼントを通じて「アメリカ人の考え方」「日本人の考え方」などを話し合ってみましょう。歴史や文化の違いなどの難しい話ではなく、日頃の生活からお互いの理解がうまれるかもしれません。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 

<寄付について>
11月の第4木曜日は感謝祭(サンクスギビングデイ)、一年の農作物の恵みに感謝する日です。この日、厚木基地では将校婦人会がランチ会を開きます。チケット代22ドルの内の7ドルが寄付に回ります。人気のチケットであっという間に売り切れます。

また、それぞれの婦人会がテーマを決めて30ドル分くらいのバスケットをつくります。例えば「秋の夜長を楽しむバスケット」はワインと本が2冊くらい入れてあります。このバスケットはオークションにかけられ、20ドルからスタートして50ドル、100ドル、150ドル、200ドル、300ドルとなっていきます。「どうして?」と聞くと「だってチャリティーだもの」という答えでした。この売り上げは赤十字に寄付されます。オークション自体をすごく楽しんでいて、楽しみながら誰かの役に立てているというのがポイントのようです。そして、会が終わると「このワイン欲しい人〜?」とみんなに中身をあげてしまうのです。こうして毎年日本円にして15〜20万円くらいがアメリカの赤十字社に寄付されます。この他にも、乳がん撲滅のためのチャリティーゴルフ、マラソンなどいろいろあります。

 

<プレゼントの文化>
厚木基地内は11月後半からウキウキした気分に包まれていきます。感謝祭が終わったらクリスマスツリーが飾られます。アメリカ人の家庭を訪問すると、リビングにツリーが飾られて木のとてもいい香りがします。クリスマスプレゼントは高価なものではなく、「猫が好きだから猫のブローチ」など相手に相応しいものを選んで贈ります。5人家族だったら、5人それぞれに(時にはペットにも)プレゼントを用意します。結婚式の贈り物は20〜30ドルくらいです。プレゼントは絶対に品物で、お金ということはありません。 アメリカ人は「もらったものを受け取ればそれでいいじゃない?(get what you get)」と考えます。

 

<Toys For Tots(トイズ・フォー・トッツ 子どもたちにおもちゃを)>海兵隊員ブライアンさんのお話
1947年、米国海兵隊の予備役であった将校の夫人が人形を作って寄付先に届けようとしたところ、どこにもそうした組織や機関がなかったため自分達で始めることにしました。すぐに5000個のおもちゃが集められて子どもたちに届けられ、この活動は全米の海兵隊に伝わり、1948年には「Toys For Tots」という団体を作って活動が始まりました。日本では1959年の伊勢湾台風の時に、近隣の子どもたちに人形が届けられました。1970年代にはToys For Totsは全米の各州にでき、その後は全世界の海兵隊基地に広まりました。2007年には1670万個のおもちゃが地域の恵まれない子どもたちに贈られました。孤児や親が貧しくてプレゼントをもらえない子どもたちにクリスマスの朝には笑顔になってほしい、自分の未来には夢がある、希望があると感じてほしいとの願いを込めてプレゼントは贈られています。

 

Q1.プレゼントはどうやって集めるのですか。
A1.基地内のスーパーや小さなデパートの出入口に箱を設置します。家族のプレゼントを買ったときに、もうひとり、誰かのためのプレゼントを買って箱に入れて帰ります。おもちゃは新品のもの、包まないこと(子どもに適切なものであるか判断できるように)が決まりです。

 

Q2.お金じゃいけないのですか。
A2.お金だと全部が子どもたちのために使われないこともあります。おもちゃならそのまま全部が子どもの手に渡ります。

 

Q3.たくさんのプレゼントが余ったらどうするのですか。
A3.地域で集めたものは地域の子どもたちにプレゼントしています。厚木基地で集めたものはその近隣の子どもたちに届けます。しかし、余ってしまったものは途上国に送っています。

 

 

 

(参加者の感想)
・県央地域にもプレゼントを必要としている子どもは必ずいるはずです。プレゼントは「未来に対する希望」です。また、子どもだけでなく30代・40代であっても失業中の人など寂しい思いをしている人は大勢いて、プレゼントで勇気づけられる人もいるのではないでしょうか。

・キリスト教と仏教の文化はかなり違うと感じます。アメリカでは「シェア」することを子どもの頃から徹底的に教えられます。何かを人にあげることは特別なことではなく、気持ちを分かちあうような感じのようです。

 

 

 

 第35回共育セミナー第35回共育セミナー

 

▲このページの一番上へ